人は何歳になってもまだまだ脳は活性化します。
研究の結果、高齢者でも脳の神経細胞が増加することがわかりました。ただし、脳の神経細胞を増やすには、脳内の血流を上げることが必要です。そのためには、新しいことを学び脳に刺激を与えること、運動などで血流を促し、十分な酸素を供給することが大切。脳への血流を増やすためには、食事の内容も重要な要素のひとつ。
ここでは、脳を活性化させるのに役立つ食事をお伝えします。
あなたの脳にも、たっぷり血流を巡らせて、まだまだ進化してもらいましょう。
腸は第2の脳とも呼ばれているのを聞いたことがあるでしょうか。
地球上に生物が誕生し、脳が生まれる前に腸が先に生まれました。つまり脳が無くても腸は考え活動することができるのです。また、脳と腸は密接に関係しています。腸には自律神経を整えたり、ホルモンを分泌したり、脳に似た働きがあるのです。腸がダメージを受けると、脳の機能も低下します。腸内細菌に異常があると、自閉症やうつを発症しやすくなるというデータもあります。逆にストレスが腸に影響を与え、腸内環境が乱れます。特に男性に多い過敏性腸症候群では、ストレスで腸内のセロトニンに影響を与え、下痢を起こさせてしまうのです。
発酵食品は、その重要な腸内の環境を整えてくれるとても優秀な食品です。特に日本は、納豆、漬物、みそ、ヨーグルト、酵素飲料、甘酒など、発酵食品の宝庫です。ぜひ、若い脳のためにも積極的に食べたい食品です。
インドは世界的に見て、認知症発症率が低いというのは有名な話です。インドといえば、カレー。(といってもインドにはカレーというメニューはありません)インドではほとんどの料理に大量のスパイスを使います。スパイス(香辛料)は、薬膳として使われ西洋医学では医薬品原料にもなっています。
それぞれのスパイスにはそれぞれの効果がありますが、特に脳の活性につながるスパイスは、カルダモン、クローブ、シナモン、スターアニス(八角)、ターメリック(ウコン)、ブラックペッパー(こしょう)など。
手軽に摂取するなら、カレー、マサラチャイ(スパイスが入ったミルクティー)、グリューワイン(スパイスが入ったホットワイン)がおすすめです。
私たちの脳は、およそ65%が脂肪でできています。
脂肪といえば、あまり良いイメージを持たないかもしれませんが、脳にとって脂肪(脂質)は大事です。脂肪にはエネルギーとして利用する脂肪酸が含まれますが、脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は常温では固体で存在することが多く、主に動物の脂。不飽和脂肪酸というのは、常温では液体で存在することが多く、主に魚や植物の脂。脳のために積極的に摂りたいのは不飽和脂肪酸、中でも「オメガ3脂肪酸」です。オメガ3は、脳の機能を改善させることが分かっています。
オメガ3脂肪酸を多く含むおすすめの食材は、青魚(DHA・EPA)、エゴマ油、チアシード、くるみなど。
噛むことで脳内の血流が増え、脳の運動野や感覚野、前頭前野、小脳などが活性化します。特に脳の前頭前野は判断、感情、行動、記憶、コミュニケーションなどをつかさどる重要な部分です。うつではこの前頭前野の機能が低下することが指摘されていますが、噛むことで前頭前野の血流が増え、機能がアップします。
脳を若く保つために、食べ過ぎはいけません。すべての食事で腹6~7分目くらいがよいでしょう。食べ過ぎると、腸内環境を悪化させ、記憶力低下や認知障害を招くという研究結果もあるくらいなのです。
もし、食べ過ぎてしまったなと感じたら、次の日には、食べる量を減らす、消化にいいものを選ぶなどして胃腸を休めてあげてください。
メグリスタアドバイザー 中俣拓哉