体の血流をよくするためには、食事はとても重要です。
食事によって体温を上げ、血流を促進することができます。でもその食事の内容によっては、結果的に身体を冷やす方向に作用してしまうこともあるのです。では、冷えを招いてしまう食事とはどんな内容でしょうか。
野菜だけ食べる食事は、一見健康に良さそうです。生野菜は酵素をたくさん含んでいますし、食物繊維も豊富ですから野菜を摂ることは大切です。ただしその人の健康に良いかどうかは、それぞれの体質や考え方にもよりますが、巡りを良くするという観点からは「野菜だけを食べる偏った菜食主義」はおすすめしません。タンパク質を十分に補給することが難しくなるからです。
▼タンパク質について
タンパク質は体を構成する水の次に大きな要素。水分が全体の60%程度、タンパク質はその次に多く20%程度です。熱を作り出す筋肉には、タンパク質が必要です。そのタンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできており、そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ体内で合成することができないため、食事で摂り入れなくてはいけません。その必須アミノ酸のバランスを数値化したものをアミノ酸スコアといいます。アミノ酸スコアは上限が100になり、その食品は必須アミノ酸をバランス良く含まれていることになります。
植物性のタンパク質にはアミノ酸スコアが低いものが多く、必須アミノ酸を充分に摂れないことがあります。肉や卵はアミノ酸スコアが100です。さらに、血流を良くするためには、筋肉はとても重要です。その筋肉を効率的に作れるのは、動物性タンパク質です。また、脂肪分にも体にとって大切な役割がありますから、適度に摂ることは大切なことです。
砂糖の原料はサトウキビですね。沖縄など暑い地域で採れるサトウキビには、体を冷やす作用があります。さらに、たくさんの砂糖を摂ると、エネルギーに換えるためにたくさんのビタミンB類を使います。すると血液がドロドロになるのです。もちろん余分な糖類は、脂肪の蓄積にもつながります。肥満になれば、末梢の血管が圧迫され血流が悪くなります。すると血液を流そうとするために高血圧の危険性も高まるのです。肥満の人は痩せ型の人よりも5.8倍も高血圧になりやすいというデータもあります。白砂糖が多く使われているお菓子、清涼飲料水などは、特に気を使ってなるべく少量にしておきましょう。
特に暑い季節は、キンキンに冷えた飲み物を飲みたいところですが、冷えた飲み物は胃腸に負担をかけます。さらに、体温を下げ、血流も悪くしてしまいます。とても暑い日で飲みたいときには、一気に飲むのではなく、できるだけ少量ずつ摂るようにしましょう。
きゅうり、ピーマン、ししとう、オクラ、トマト、冬瓜、なす、すいか、桃などは、体を冷やす作用があります。夏に適量食べるのはいいですが、今は一年を通して収穫されるものも多く、冬にあまり多く食べると体を冷やします。
メグリスタアドバイザー 中俣拓哉