「貧乏ゆすり」と聞くと、どういうイメージでしょうか。
その名称からも言われるように、まずいいイメージではありませんね。私は子供のころよく親から叱られました。「やめなさいっ!貧乏ゆすり!」って。貧乏ゆすりという呼び方は、日本だけのようですが、海外でもその行為はあまり歓迎されることではないようです。確かに、電車で座っているときに隣の人がやっていたら、話をしている相手がしていたら、決して気持ちのいいものではありません。イライラが伝わってくるようで、こちらもイライラしてきますね。
でも、実はこの「貧乏ゆすり」
健康面からみると、メリットしかないのです。誰でも簡単にできる最強のエクササイズともいえるほどなのです。
人は、何かに集中したり、ストレスを感じたりするときに無意識に貧乏ゆすりをしてしまうようです。会議中などは、テーブルの下をのぞくと多くの人が貧乏ゆすりをしているのがわかるでしょう。
決して、「貧乏」だからではないし、していると「貧乏」になってしまうわけでもなさそうです。ちなみに私が以前勤めていた会社の創業者は、長者番付で日本のトップ10に入るような人でした。ある年の納税額が、たしか54億でした。納める税金だけで54億ですよ?収入は100億はあったでしょう。その人のクセは、まさに貧乏ゆすりでした。むしろ当時自慢げに言ってました。ボク、昔から貧乏ゆすりがクセなんだよね、って。
貧乏ゆすりには、様々なメリットがあります。特に体の巡りをよくしたい人には、むしろ強くお勧めしたいくらいです。
下半身、特にふくらはぎの血液の流れを改善することができます。これが最大のメリットです。ふくらはぎは第二の心臓とよばれるくらいで、ふくらはぎの血流が滞ってしまうと、全身の血液の流れに影響が出てしまいます。逆にふくらはぎの血流が改善されることで、さまざまなよい影響が表れてきます。
プロテニスプレーヤーは、試合中チェンジコートの合間には、ほとんどの選手が貧乏ゆすりをしています。これは、血流を止めて脚を冷やさないためです。また、集中力をとぎらせない効果もあるようです。テレビで中継されたときには注目してみてください。
下半身の血流が改善されることで、全身の血流も改善され、末端まで血液が行き渡るようになります。血液は、体温を運ぶ役割をしますので、冷えが改善されるのです。
実際、国立長寿医療研究センターの中村昭範・脳機能診断研究室長が行った実験によると、貧乏ゆすりをすることで、女性の皮膚温度が5分後に平均で約2度も上昇したということです。
中村室長は20~40歳代の女性4人に貧乏ゆすりをしてもらい、ふくらはぎをサーモグラフィーという温度観測装置で観察した。その結果、皮膚の温度が5分後に平均で約2度上昇した。最も上がった人は3.3度もあった。中村室長は「運動の代わりとはならないが、対策にはなる」と話す。https://www.nikkei.com/article/DGXDZO40249640X00C12A4MZ4003/
ふくらはぎの血流が促進されることで、むくみの原因となる余分な水分が静脈に回収され流れます。
他にも・・・
などの効果が期待されるのです。
貧乏ゆすりには、多くのメリットがあります。ただし、冒頭にも述べたように、貧乏ゆすりは周辺の人に不快感を与えてしまいますので、注意が必要です。次の4つには、特に注意しましょう。
配慮は忘れずにしましょう。
でないと、周囲にストレスを与えてしまいます。
メグリスタアドバイザー 中俣拓哉